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2017.09.24

第五回「大家さんがこわい」 / 中原健仁




今の家に引っ越してきて、もう少しで1年が経ちます。


住み始めたばかりの頃は


電気が付かなかったり、お湯が出なかったり、なにかと大変でしたが


目の前の公園は愉快だし、夜は静かだし、


今は基本的には暮らしやすくて気に入っています。


しかし、なかなか馴染めない部分もあります。







その1


大家さんがなかなか名前を覚えてくれない。





ご高齢だし仕方がないかなぁとは思うのですが、


でもやっぱり名前を呼んでくれるのであれば、ちゃんと覚えてもらいたい。


僕の名前を知っていただく機会は何度もありました。



中原「内見をお願いしていた中原です。」


中原「入居させていただく中原です。」


契約書「入居者 : 中原健仁


大家さん「これからどうぞよろしくね。中西さん。」


中西「 Wow 」





二年前、街で「西原さん!」と呼ばれたこともありましたが、


僕の名前はなぜ西へ行きたがるのでしょうか。


東西南北のどちらでもありません。センターです。


とかいうとセンター原になってしまうのでしょうか。もうそれ原さんじゃん。


しかしまあ、めげずに主張していこうと思います。









その2


洗濯物がまあ良く落ちる。





これは100%僕が悪いです。


遠征で洗濯物が溜まろうものなら、


洗濯機「ぱねぇ」


ってくらい詰め込んでしまいます。物干し竿をフル活用しないといけません。


しかしそうすると、2階に住んでるもんですから、手が滑ると下に落ちちゃうんですね。


こないだパンツを落とした時が酷かった。


ただ落とすだけならまだ良かったんです。






中原「あっ」


手が滑り不運にもパンツを落とす中原。その瞬間。


ガラガラッ


大家「あらっ、パンツ!」


大家「中西さん、このパンツあなたのよね?!」


2階建ての2階に聞こえるよう、大きな声で呼びかける大家。


放射状に広がる" パンツ "という言葉。


出来ればそのまま天高く消えてほしかった" パンツ "。


しかし願いとは裏腹に、そして無邪気に中原を突き刺した。


中原「いや、えっとその...」


大家「あれ?このパンツ、あなたのじゃないの?」


誰にも引き取られない場合を恐れたのであろう。


" パンツ "の第二波は、より強力であった。


完璧に打ちのめされた中原。こうなれば第三波を阻止することが最優先である。


中原「僕のパンツです...。あと中原です。」


肩を落としながらもダッシュで一階へ。


大家「良かったわ~あなたのパンツが干からびなくて(笑)」







恥ずかしさのあまり小説みたいな書き方になってしまいました。


穏やかでやさしい人だと思っていた大家さんですが、


あんなにパンツを連呼する人だったとは。


「干からびる」って言葉のチョイスも笑いのツボも、なかなかです。




今朝会ったときも、


大家さん「昨晩どこかの部屋が騒がしかったから、言いに行こうと思ったのよ。」


中原「あら、そうだったんですね~。」


大家さん「あなたの部屋かと思って覗いちゃったんだけど、ごめんなさいね~。」


中原「あ、いえいえ...( えっ?)」


大家さん「結局どこの部屋も静かだったのよ。勘違いだったのかしらね~」





なんてことがありました。ちなみに昨夜、僕は家にいません。


部屋を覗く大家さんも謎の騒音も、


あとついでに「こらしめちゃおう」も、全部怖すぎます。







他にも挙げれば色々ありますが、


書きすぎてる気がするので、今日はこの辺で!